Author: Robert Scoble, by Wikipedia |
たまに聞かれるんです、
「東南アジアの日系企業に新卒で入社するのってどう思います?」って。
※ちなみにこういうときの「東南アジア」は、
フィリピンやマレーシア、インドネシアが主で、
シンガポール先輩や香港先輩のような先進国は含まれません。
私、最初のキャリアが日本の一部上場企業で、
新人研修が数ヶ月あるような会社で丁寧に育ててもらったから、
どうしてもそれと比べちゃうんですよね〜。
で、ポジティブでない要素が先に出ちゃうんです。
仕方ないじゃないですか。
新人研修で座学しかやっていないのに20万円以上もらえるのと、
OJTすらロクになく入社して即結果を求められて月に15万円ももらえない生活だったら、
圧倒的に前者の方がいいじゃないですか!
人間、ラクしてなんぼ\(^o^)/
で、ネガティブ要素が出ちゃうんですけど
「それでもやりたいならやれば」
というのが私のスタンス。
というか、私にあーだこーだ言われたくらいで
「やっぱ辞めよう」
と思うくらいなら、
やらない方がいいと思うんです!!
フィリピンで就職したけど
何かのミスマッチがあってほんの数ヶ月で帰っちゃう人もけっこういるしさ。
(ほんと多い)
というわけで以下、
東南アジアの日系企業に新卒・現地採用で入社することへの
ネガティブな要素を並べてみます。
広告の向こうへどうぞ。
※
2015年5月作成
2016年11月更新
◆新卒入社なんて概念は存在しない
社会人1年目だろうが関係ありません。大学の同期が、「新人研修」という名のもと同期とリア充ライフを送っている頃、あなたは東南アジアのどこかで、目標達成のためにお客さん(日系企業=海外だけど日本語で営業)を訪問して商品・サービスを売っているかもしれません。
OJTも会社によりけりだと思います。
私が前にいた会社は、社会人未経験の人に対しては数週間程度?面倒みてたとは思いますが、そうじゃない会社もけっこう多いと言いますか、「とにかく売ってこい」みたいな話もよく聞きます。
なので、海外就職する人は「新人研修」なんていう甘い囁きは期待してはいけません。
まぁこれは当然ですよね。
◆給料は、日本で働く同期と比べると圧倒的に低い
「将来のための投資」と思えるか否かですね、ここは。フィリピンって、新卒だとせいぜい月に5-7万ペソ(15万円前後)しかもらえないと思うんで、大変だと思います。
日本のWeb系のエンジニア職だったら、新卒でも月に30万円以上もらったりボーナスでどかーんと貰っちゃうわけですが、そういうのと比べると、みじめに思うことがたくさんあるかもしれません。
「ボーナス入ったからMacbook AirとiPhoneを新調しちゃったてへ♡」
なんてつぶやきを読んだら殺意がわくかもしれません。
それでも耐えてください。あるいは気にしないとか。
◆「お手伝いさん」みたいな仕事だとアレ
何気に多い「アシスタント」みたいなポジション。これって駐在員のオモリみたいな仕事なんですけど、
お茶くみ・コピー取り、資料作成のお手伝い、
接待のためのレストラン予約、出張者のためのホテル予約、
出張者を空港までお迎え/お見送り、
そういう仕事がやりたくてフィリピンに来るのであれば全然アリだと思いますが、
(女の子向けの秘書みたいな仕事っていうのかな)
そうじゃない場合はキツいというか、、
日本人とばかり仕事していると英語も伸びないしね。
◆「日本人的な働き方」を期待される
これ、うまく言語化できないんですけど、「日本人だったらこれくらいできて当然でしょ」
と期待されることが多いと思います。日系企業って。
お客さんからしたら相手が新卒だろうが中途だろうが関係ないというか。
本社が大企業だとなおさら。
ヨウは「空気読めるか」って話なんで、一長一短ありますけどね。
◆日系企業でしか働けないキャリアになるリスク
会社によりけりかな〜。英語がロクにしゃべれないとその後も日系企業でしか働けないかも。もしくは日本に帰るしかないとか。
外資の「日本担当窓口」というポジションも中にはあるけど、周りの同僚は外国人だから、英語が話せないと社内で会話が成立しない。
◆将来、真っ先に首を切られるリスク
東南アジア(先進国を除く)の日系企業って、今後ローカル化が進んだら、ローカルより給料が高い日本人は、首切り要員かもしれないんですよ。
わかりませんけどね。
今はよくても、30, 40, 50歳になったときにリストラで放り出されて、しかもロクなキャリアがなくて次の働き口が見つからなかったらどうしましょうって感じ。
◆日本で再就職したいときに買い叩かれるリスク
日本で働く同世代より給料は圧倒的に低い人が多いんで、月に約15万円という実績で給与交渉されたりしたら大変ですよねぇ。キャリアをしっかり積んでいればそんなことはありませんが。◆新卒カードは一度しか切れない
海外で就職なんて、やろうと思えばいつでも可能なんですよ。でも、「日本で、新卒枠で就職活動」なんて一回こっきり。
どうせならそのカードは日本で使って、数ヶ月〜数年働いて、薄給になるのに備えて多少お金を貯めてから海外出るのでも遅くないんじゃないかなって思います。
(最低でも100万円くらいあると、心理的にものすごく楽だと思います)
とまぁあれこれ書きましたけど、
私がこういうことを言うと
「やっぱり日本で就活します」
という人がほとんどなんですよ。不思議。
たぶんこれで、
片手じゃ収まらないくらいの人の背中を日本に向けて押しちゃいました。
「それでもやっぱり私は海外でがんばってみたい」
と言ってくれるのを期待しているんですけどね。
そういう若い人なら全力で応援します。
だって、
もしかしたら、
「日本にいること」自体がリスクかもしれないじゃん?
ひうらさとる KADOKAWA/メディアファクトリー 2014-05-16
大石哲之 tyk publishing 2013-09-30
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