Kindle版を読みました。
(数年前にコミカライズ版は読んだことがあった)
だいたいの結果というか「諦め」をあらかじめわかっていて、エンディングまでの過程を追う話なんですが、
(せっかちなのでこういう構成だとぐいぐい読めるタイプ)
家の事情でリアリストな性格、「早く大人になりたい」と願う中学生のなぎさ、
自分を「人魚」と言い張りいつもミネラルウォーターを飲んでいる藻屑、
2人のクラスメートで野球部、なぎさの片思いの相手の花名島(でも花名島は藻屑が気になっている)
彼らの思いや行動がいずれも「あー中2の時って…」と、私の記憶の奥底から楽しい思い出や楽しくない思い出をいろいろ掘り起こすので、よくもわるくも甘酸っぱい。
まだ13歳、義務教育を受けていて、親の庇護下で、働くこともできずに、何もできずにただもがきながら、あるいは諦めながら生きている感じが、よくも悪くも懐かしい感じがしました。
藻屑が「好きって絶望だよね」と言うシーンがあるのですが、藻屑に限らず、なぎさ→花名島、花名島→藻屑、藻屑→海野雅愛全員の「好き(家族愛、恋愛共に)」が、大小あれど「絶望感」があるので、こういうのが嫌いな人にはオススメできません。
あと、テンション低い時に読むと余計にテンション下がります。
コミカライズの単行本も上下で出ています。
文庫版だと、コミカライズ版では読みきれない心理描写が丁寧なので、そういう意味では両方読むのをオススメします。
杉基イクラと言えば、サマーウォーズのコミカライズも。この人の絵、好きです。