2019年3月26日火曜日

【海外出稼ぎ労働者の悲哀】我が家のフィリピン人メイド、お父さんが亡くなったのにお母さんから「葬儀に間に合わないなら帰ってこなくていい、その代わりお金送って」と言われる




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数日前、我が家のメイドのお父さんがフィリピンで亡くなりました。地元ボホールの建築現場で働いている最中に心臓発作で倒れ、病院に運ばれたときにはすでに亡くなっていたとのこと。
まだ47歳。
(ちなみに我が家のメイドは27歳)





それを私に知らせてくれたWhatsappがこれ。



「お父さんが亡くなりました。でもフィリピンに帰れないんです」



えー
帰れないなんて勝手に諦めるなよ〜
旅費のことを心配しているのかな…
(全額負担するつもりはないけど…)



急いでメイドエージェントをやりとりを始めました。



というのも、マレーシアで「メイドビザ」で働いている場合、マレーシアを出国するにも許可がいるんです。


具体的には


> 在馬フィリピン大使館から「ホリデーレター」をもらう


らしいんですね。
これがないと空港のイミグレで出国させてもらえず、むしろ別室行きになるそうです。
メイドビザで来ている外国人の、バックレ防止のためだそうです。



ホリデーレターだけではありません。
フィリピンからマレーシアに戻ってくる際も書面が必要です。


フィリピンのPOEA(Philippine Overseas Employment Administration、フィリピン海外雇用庁)というところから、OEC(Overseas Employment Certificate)をもらう必要があります。


OECは、彼女が初めてマレーシアに来る際にもOECを持って出国しているんで知ってるんですが、すでにマレーシアのメイドビザがある状態でも片道切符でフィリピンを出国するには再度OECが必要だというのは初めて知りました。
確かに、「マレーシアのメイドビザはマレーシアのイミグレが発行したもの」なので、フィリピン側としては「フィリピン政府が発行した書面がいる」ってことなんでしょうかね。
(ということは、メイドに限らず海外で働くフィリピン人は、フィリピンに一時帰国して働いている国に戻るときにみんなOECが必要なのかな)



手続き費用が数百リンギットかかるようなことを以前どこかで見たような気がするんで、「ウン万円もする手続きを払ってあげるわけにもいかないしなぁ」などと考えながらメイドエージェントとやりとりしていましたが、話を聞くと3000円で済むと言われました。
(実際にはRM100でお釣りが来る、と言われた)



なんだ、それで済むのね。



旅費は、クアラルンプールからボホール往復をネットでざっくり調べたら、3-4万円くらい。
下手したら彼女の1ヶ月分の給料の2/3くらいか〜
まぁいいお値段だよな〜



夫と相談し、
「彼女の旅費は、香典がてら半額くらいは出してあげてもいいかも。不在は有給扱いにして、2年契約が終わったあとの有給(1ヶ月)から天引きでいいよね」



という方向にしようかと思いました。



なお、我が家にお金が湯水のようにあったとしても、旅費を満額出すつもりはありません。
なぜなら「今回のお父さんの死は事実でも、次にウソつかれて国に帰りたいと言い出すリスクがあるから」なんです。

こういうところは私はドライなのかもしれませんね。
嘘つかれ始めたら泥沼にハマであろうことがなんとなく想像つくんです。



それに、彼女がいない間、我が家は息子の面倒を誰かにお願いしなければならないので、こっちはこっちで余計な手間とお金がかかってしまいます。
近所の保育園にあずかってもらうのは不可能ではありませんが、ざっくりいうと一日でRM100(3000円弱)するので、痛い出費になるのです。



というような話を、メイドエージェントとやりとりしながら夫とも会話してたのですが・・・



メイドエージェントによると、
なんと、



「フィリピン大使館での面談が、予定が詰まってて最速で3月29日ですけど、どうしますか」



「どうしますか」って、いやちょっと意味わからないんだけど…
葬儀に間に合わないし…




お父さんの葬儀は、ボホールで1週間近くやるらしいんですけど(そのあとに土葬ですって)、亡くなったのが先週頭の話で、葬儀は今週中頃には終わってしまう。
つまり、最速で3月29日にフィリピン大使館のアポが取れたとしても、土葬する前のお父さんに会えない。



あっちの葬儀はよくわからないので「葬儀を数日伸ばせないのかしら」などと思ったりもしたんですけれども、彼女が母親と相談した結果、お母さんにこう言われたそうです。



「土葬前にお父さんに会えないなら、高いお金を払ってフィリピンに帰る意味がないから、来なくていい、お父さんはわかってくれる。」



「その代わり、葬儀に来てくれるお客さんに出す飲み物や食べ物を工面するお金がないから、お金送って!」



お母さんハンパねぇなぁ〜〜〜



「自分が持っているお金の範囲でやる」みたいな思考はないんだろうなぁ〜〜〜



まぁでもこれが出稼ぎフィリピン人のリアルなのかもしれませんね。



結局彼女は、我が家からRM200(6000円弱)を借りてフィリピンに送金することにしました。



海外での出稼ぎは彼女の判断とはいえ、親の死に目に会えないのはつらいし、亡くなったあとに葬儀に参列できないのもつらいし、(なのにお金をせびられるし)、帰りたくても手続き上の理由で帰れないのもつらいですね。。。




そして海外で働く私たちも例外ではないなぁと実感しました。
マレーシアから日本は飛行機でもドアtoドアで半日かかるし、もしパスポートが何かの手続きの最中だと出国できないこともあります。
というか今週には韓国大使館に行って自分のパスポートの更新手続きをしようかと思っているところなんですけど、その間にもし日本で何かあったらどうしよう…
何もないことを祈るばかりです。



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